オバマ大統領三題話

オバマ大統領が天皇陛下にお辞儀
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オバマ大統領が訪日中に天皇皇后両陛下と昼食をともにした。場所は宮殿ではなく御所だった。宮殿・御所いずれも皇居内の施設だが、宮殿は公式の場・御所は両陛下のお住まいである。

 

通常は賓客を迎えるのは宮殿だが、オバマ大統領の訪日日程変更と天皇即位20周年が重なりお互いのスケジュールの都合でいわば簡略化された形だ。御所で天皇皇后両陛下と対面したオバマ大統領のお辞儀が深すぎるというので、アメリカで一部話題になったらしい。

 

 

写真でみると最敬礼しているようにも見えるが、動画では一瞬である。最敬礼とも見えるが、敬意を表したところ、大統領と天皇の身長差も手伝って深くなったともみえる。

 

話題になる以前にこの映像をみたときにも「意外と敬意を示してくれるんだな」と思ったが、アメリカ人にとって大統領が、他国の首脳に頭を下げるのに不快感を持つものもいるのだろう。特に保守系メディアのFOXで大々的にとりあげていたようだ。

 

ところで、この問題について大統領報道官はメディアに「天皇に敬意を表したもの」と答えていた。当然、原文は「Pay respect to the Emperor」とでも言ってるのかと思っていたが、「head of state」と言っていた。「head of state」はふつう元首と訳されるのだが、天皇が元首であるかどうかは諸説あって定まっていない。

 

ただ、外国使節が信任状を渡す相手が天皇であったり、大臣や大使・公使の認証を天皇が行うため、外国に対しては「天皇が元首」ということが通例になってはいる。私がみたニュースが「head of state」という一般名詞を「天皇」という固有名詞に訳したのも、こうした論争に入りたくなかったのか、と深読みしてしまう。




オバマ大統領の晩餐会に侵入
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ホワイトハウスで開かれたインドのシン首相の歓迎晩餐会に、招待されていないカップルが入り込んでオバマ大統領と握手までしたという。こうした招待客の中にはふだんホワイトハウスに出入りしない、例えばインドとの特別関係者などの一般人が招待される場合がある。くわえて、犯人?はブラックタイとドレス着用で来ていたので、警備関係者もまさか招待されていないとは思わなかったのだろうが、明らかにミスである。私の経験でも大統領出席の場に同席するだけで、半年前からパスポートのコピーを提出させられたほどの厳重さであった。あるいは、会場が一般人も出入り可能なホテルなどではなく、ホワイトハウスということで気の緩みもあったのだろうか。

 

イギリスでも女王の寝室にまで入り込んで二言三言会話したり、警備員にワイロをつかませて宮殿内に入った記者が記事で暴露したりという事件もよく聞く。日本の場合、皇居に侵入事例もゼロではないがあまり聞かない(ただ、皇居や青山御所の警備は超厳重だ。何もないときでも周囲は何十メートルおきに警官が徘徊している)。

 

洋の東西を問わず、有名になりたい・変わったことをして注目を浴びたいという○カはいるものだが、どうやら日本では事件・事故のTV中継に映りたがる受動的○カは多いが、計画を練って実行に移す能動的○カは少ないようだ。しかし、気球騒動の母親が日本人だったように、そのうち日本でも能動的○カが出てくるに相違ない。




オバマ大統領支持率50%割れ
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オバマ大統領の支持率が50%を割った。これはフォード、クリントンに続く支持率50%割れの最速記録だという。すごい下がった気がするのだが、じつは日本でのオバマ大統領の就任当時の支持率は軒並み80~90%だったのだが、もともとアメリカでは68~80%、だいたい70%強というところだった。

 

日本では首脳の支持率といえば、期待感やイメージの占める部分が大きい。森さんと鳩山さんが同じことをしてもだいぶ支持率は違うのではないか。

 

話を簡単にするため、ざっくりとした割合を出せば、アメリカでは共和党3割、民主党3割、その他3~4割と考えればよいのではないか。オバマ大統領の支持率70%とすれば、民主党支持者+その他をまとめたもので、残り3割は特別な理由がない限り民主党は支持しない。

 

ブッシュ大統領は9.11後に90%近い支持を集めたが、アメリカは外に対するときには一致団結する。つまり、政党・思想信条が異なる場合でも緊急事態には一丸となるということだ。戦前の日本陸海軍は、ここを見誤ったともいえるのだが、話がそれるので詳しくはふれない。たぶん、今の時点でも日本が攻撃された場合、首相によっては90%の支持率は出ないのではないか。あるいは、どんな事態になっても反撃を許さないひとや反戦活動するひとが一定数あると思う。

 

逆に、どんなに支持率が下がっても40%以下にはならないのもアメリカ大統領の特徴だろう。基礎票3割程度は動かないのだ。あるいは、「絶対に共和党民主党)の党利党略には乗らないもんね~」というひとがいるというべきか。日本では竹下内閣の4.4%、宇野内閣の10%、あるいは森内閣の16%というのがあった。これは、「もう替えればいいじゃん」という意思表示なのかもしれないが、アメリカの場合、大統領は日本の首相のようにホイホイ替えられないし、国民の間にもそういう発想はあまりないのではないか。

大統領選結果雑感

オバマ当選
オバマが大統領選挙に当選した。364対162とダブルスコアの大勝のようにも見えるが、得票率でいうと53%対46%で過半数を制したに過ぎない。※1.※2.しかし、ブッシュ対ゴア、古くはケネディニクソンのときのように得票と選挙人獲得数が逆転しているいうことでもない。

今回の大統領選挙ではブッシュ政権負の遺産が大きな影響を持った。1964年以来大統領選で共和党が制してきたインディアナ州オバマに軍配を挙げた。共和党インディアナで4年前のブッシュの得票率から20%失ったことになる。

日本のマスメディアは投票日直前になって「ブラッドリー効果」を口々に言い募ったが、これはクリントン陣営との戦いで通ってきた道といえよう。実際、オバマは郊外に住む大卒ホワイトカラーの支持を得ており、多数が白人であるこの層の支持は、4年前の民主党候補ケリーより10%多い。

オバマの当選を「黒人大統領の誕生」と、人種面での変革が大々的に語られている。もろちん、それは間違いではない。黒人が法的にも差別されていたのは遠い昔の話ではなく、いわば同時代といってもよい。実質的にすべての人種に同等の投票権が与えられたのは1965年の投票権法以降であり4~50年前は法律で黒人差別が容認されていたのだ。

しかし、オバマアメリカ人としては非常に特異なひとであるといってよい。
*パパは外人(ケニア人)、
*ママは白人、の国際&異人種結婚の子供であり、

*生まれと育ちはハワイのお祖母ちゃんのもとで、
*ママの再婚によってインドネシアで小学校へ通う、
という育ち方をしている。

ハワイというのは元からの住民であるポリネシア系、移民のアジア系、白人、黒人が住むが人種間の軋轢は本土に比べればおおいに緩やか、といって差し支えないだろう。ハワイで白人の祖父母のもとで育ったオバマの精神世界はいわゆるアメリカ黒人のものとは違うのである。

オバマのもうひとつ特徴的なことは、ハーヴァード大ロースクール出身で黒人初のHarvard Law Reviewの編集長を務めたということだ。こりは日本に似たようなケースがないのでピンと来ないのかもしれないが、要するにエリート中のエリートという意味合いがある。

つまり、黒人から見たら「黒人」のオバマは、白人高学歴層から見ても「同類だわね」という安心感があるのだろう。たぶんオバマはハイティーンになって本土で教育を受けるときまで「奴隷の子孫」であるアフリカ系アメリカ人の持つ世界像を認識していなかったのではないか。※4.


オバマの実力は
よく考えてみればオバマは4年前の大統領選のときは上院議員1年生であった。43歳の若さで大統領になったケネディですら下院3期(6年)上院2期(8年)の国政経験がある。こうして考えてみると、オバマという選択がいかにアメリカ人が変革を求めていたかの現れとみてとれよう。

大統領当選人となつたオバマだが、選んでおきながら「どんなひとだろ~?」という目で見ている節もあるアメリカにも見える。しかし、選挙戦中オバマが他の候補から抜きんでていたことがある。それは、組織の充実であつた。

ヒラリー陣営は当初の戦略の失敗からオバマのリードを許し、幾度となく資金が枯渇した(ヒラリーが私財を提供したほど)。途中で選対責任者を解任・変更するほど組織は乱れていたことは知られている。

マケインもペイリンを副大統領候補にして以降、ペイリンと選対幹部との軋轢が噂された。どの世界でも内部の軋轢はあるに決まってるのだが、それがどんどん出てくるのは組織が機能していない証拠である。

これに対し、オバマの選対はネットを有効に活用して小額資金を集めて最後まで豊富な資金力で優位を保った。ばかりでなく、選挙戦期間中どの場面でも陣営はゆるがなかった。こりがオバマの力なのか内部に統率力のあるひとがいるのか詳らかにしないが、大統領という組織のトップに立つひとして最初の関門はクリアしてきた、と言えよう。


共和党と保守の行方
一方、共和党にとっては「史上最も不人気」といわれるようにまでなってしまった子ブッシュ政権の負債を背負った最初から厳しい戦いであった。もともと国論を二分していたイラク戦争を続けるマケインの言い分も「犠牲を払った戦争を負けたまま終わらせるわけにはいかない」というものである。フセイン政権を倒したうえに何をもって勝利と呼ぶのか(つまり、敵対勢力が掃討されるまでというのだろうが)よくわからない論理だった。

レーガン以降進んで来たアメリケの保守化だが、2000年のブッシュは得票で逆転されており(2004年は9.11の後遺症で戦時下という感じだった)、保守の退潮がみられる。しかし、世界中で「オバマオバマ」と言ってる割には得票ベースでいうと45%以上が共和党に票を投じていることも忘れてはならないのではないか。つまり、「経験のないオバマは不安」「黒人ですか~?」という票を差し引いても保守派のボリュームはかなりあるということだ。こうした保守派の中でもコアになる支持層が白人労働者層と宗教
保守派である。

マケインはブッシュ政権の政策を概ね認めていたが、保守本流というわけではない。共和党保守派から見れば「ちょっと左寄りでないの」といわれる独行独歩の道を歩んできた。外交政策ではタカ派で、小さな政府だが、同性婚や中絶、移民など宗教右派が譲らない場面では寛容な面もみせている。また地球温暖化対策にも熱意を示している。※4.

こうしたマケインがコアの支持層をつかむために選んだのが、アラスカ州知事のペイリンだった。全米がびっくりしたペイリンの選択は、若く(マケインは年齢がネック)、女子(ヒラリー支持層にアピール)、保守派(上述)、ワシントン政治に無縁、州知事経験者というまさにマケインの不足を補うのにぴったりだつた。※5.

今ではマケイン敗北の原因のように言われているペイリだが、地元ワシラでは税制を変えて街起こしに成功しており、州知事になってからも腐敗の追及や経済活性化で一定の成果をあげている。前述したように退潮気味の保守派ではあるが、コアの支持層に人気の高いペイリンはまだ44歳である。今後の活動いかんによっては、また国政レベルでの活躍が期待される。※6.

日本はど~なるの
日本との関係においては共和党が伝統的に「同盟関係の重視」で日本とは仲良くするという傾向があり、(ロン=ヤス、ジョージ=ジュンイチロ~いずれも共和党政権)「経済立て直し」を目論む民主党政権下では中国寄りになるのでは、という論調が多い(クリントン政権時の「中国訪問時に日本に立ち寄らず」とか、オルブライト国務長官の「北朝鮮訪問」など)。

しかし、明らかに「アメリカ一極化」から「ど~なんのよ」時代に入ろうとする今、アメリカがど~すんのかよりも日本がど~すんのよ、が求められて来ている。もちろん、「いや~、もう疲れたし借金もあるから中国さんにお任せするべや」というのもアリだと思う。一番よくないのは「日本は世界第二の経済大国であるからして」という勢いだけで今までのような感じでいけると思うことであろう。

とりあえずシーファー駐日大使はブッシュのぉ友達なので確実に代わると思う。日本の駐米大使というのは外務事務次官退任後の指定席になっちゃってるのだが、駐日米大使というのはアメリカ全体の大使からみても特別に大物が着任している。マンスフィールド以降の大使で言うと、

マンスフィールド:上院院内総務、上院議員、下院議員
アマコスト:国務次官、駐比大使
モンデール:副大統領、上院議員
フォーリー:下院議長、下院議員
ベーカー:大統領首席補佐官、院内総務、上院議員
シーファー:駐豪大使、テキサスレンジャーズオーナー、州議会議員

というように外交官出身はアマコストひとりだけ。現シーファー大使はブッシュ大統領がテキサスで商売していた頃からのぉ友達。他はアメリカで知らないひとはいない大物議会人揃いで、元下院議長、副大統領、大統領首席補佐官という豪華さである。

自民党政権だとできないかもしれないが、民主党政権になったら外交官でない「大物大使」を考えてもいいのではないか。※7.

※1.得票はオバマ64,643,455 マケイン56,903,815
※2.日本では喧伝されないが、独立派の候補2人も出てる。合わせて110万票以上獲得。
※3.ミシェル夫人は所謂フツ~の黒人家庭の子だが、苦学してハーヴァードロースクール卒の弁護士。日本だったら例えは悪いが、夫婦揃って東大卒の高級官僚出身の中山成彬、恭子って感じ?違うか…
※4.日本だと地球温暖化対策は当然という感じだがアメリカ特に保守派では「地球温暖化?何言ってんの」という雰囲気。特に経済活動の規制に関しては「それはヨーロッパかぶれでないの!キ~ッ!」という意見多し。
※5.マケインは当初リーバーマンを副大統領候補に望んだが、側近に「それじゃ保守票が逃げる」と言われたらしい。
※6.汚職疑惑があるスティーブンス上院議員の選挙結果と失職によっては、立候補の可能性がいわれる。
※7.過去にも宮澤喜一椎名素夫盛田昭夫が取り沙汰された。いまなら小林陽太郎とか中曽根大勲位とか。

超級火曜日

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民主党
民主党オバマが13州、ヒラリーが8州だがNYやCAのような大きな州はヒラリーが制した。逆にヒラリーがNYとCAを落とすようだと勢いが失墜したようにみられたので獲得して安堵しただろう。政治的に重要なのはマサチューセッツを得たことだ。地元の上院議員ジョン・ケリー、テッド・ケネディオバマ支持に回ったにも関わらず、勝ったのは大きい。

 

とはいえ、Super Tuesdayの総得票は、
ヒラリー 7,347,971
オバマ 7,294,851
とほとんど互角である。代議員獲得数はメディアによってばらつきがあるが(NYTimes、LATimes、MSNBCどれも違う)ほとんど一緒かややクリントン優勢で推移している。

 

しかし、クリントン優勢の場合も3/4に予定されているテキサスとオハイオ、という残された大票田までにあるいくつかの投票で、オバマが58%程度得票すれば互角になるという。つまりレースの行方はまったくわからないということで各メディアが一致している。

 

民主党のレースがこれほど接戦になるのは、代議員を比例配分するという理由もある。つまり、「NYで勝った」「CAで負けた」というのは「見出し」的な意味はあっても、代議員数は半々という可能性もあるわけだ。

 

しかし、CAやNYという大票田で勝つというのは「本選挙でも勝てる」というアナウンス効果があることも事実で、「ヒラリーがCAを落としたらヤバい」というのも「勢い」を考慮したものだ。

 

とりあえず民主党は3/4まで終わらないことは判明した。結局は党大会での投票で決まるのでは、という見方もあるがそこまで行くのは本選挙に悪い影響がある、という声も出ている。Howard Dean民主党全国委員長も「4月以降にもつれる場合は話し合い決着もありえる」と述べたようだ。

 

と、なると選挙資金集めも続けなければならない。資金集めに関してはオバマが優勢なようだ。オバマは1月だけで32百万㌦を集めたのに対し、ヒラリーは個人資産から5百万㌦を選対に貸し出したそうだ。選対幹部の給料もしばらく無配になるという。

 

共和党
共和党は予想されていたよりもマケインの勝ちが小さかったようだ。しかし、マケイン側に朗報なのは、その分を持っていったのはロムニーではなく、ハッカビーだったことだろう。ハッカビーが南部で思わぬ強さを見せたことによってメディアの関心は「マケインの副大統領候補はハッカビーか?」に移ってきた。これに対してハッカビーは「いまは同じ花嫁を互いに追ってるんだから、結婚の話はまだ先だ」と否定するが、「お互い尊敬しているし、好意を持っている」と今後の可能性は認めた。
 
ロムニーにとってSuper Tuesdayの結果は思わしくない。CAが取れていれば事態は変わったのだろうが、CAも取れずマケインが落としそうなところはハッカビーが拾ってしまった。
 
共和党の代議員獲得システムは「勝者総取り」で、51%49%の場合でも敗者は1人も代議員がとれない。そのため、ロムニーがマケインに追いつくには今後4つの投票のうち3つで勝たねばならない。マケインがよほどの失言をするか、過去の失態が現れる、また大きな出来事が起こりロムニーに有利に働く、といった可能性がないわけではないが、マケインは過去にも大統領選に出ており、いまさら急失速する材料は出て来ないだろう。

 

ロムニーは自己資金があるので、資金集めがうまくいかない場合でもレース続行はできる。しかし、ロス・ペローが1992年に10百万㌦以上の自己資金を使って大統領選に出て「史上最大のマスターベーション」と呼ばれた例もある。

 

しかし、マケインは相変わらず保守右派から指弾されている。日本(の大手メディア)ではほとんど指摘されないが、アメリカのメディアでは連日保守右派からマケインへの攻撃の影響がいわれる。Rush Limbaughなどの「talk radio」と呼ばれるラジオメディアは何千万という聴取者がおり、その影響力も大きいようだ。

 

今後はマケインがいかにして共和党と保守派をまとめて本選に臨めるか、が話題の中心になってくる。

 

統計など
MSNBCなどの統計が出てきているので、興味深いところをみてみよう。ヒラリーは女性に強いといわれてきたが、実際には女性票のうち、
ヒラリー 53%
オバマ 45%

 

白人票は、
ヒラリー 51%
オバマ 44%
と、いわれているほど大きな差があるとは思えない。

 

一方、ラテン系は64%がヒラリー、黒人は82%がオバマと一定の偏りがあるようだ。ラテン系がヒラリーを推す理由としてビル・クリントン政権の8年間が彼らにとって比較的よかったからだ、という見方もある。ただ、私の個人的印象からすると、ラテン系と黒人というのは接点がない。住んでる場所も文化も違うので、ラテン系特にアメリカに多いメキシコ系にとって、黒人というのはなじみがないというところではないか。

 

そして、「英語がしゃべれるラテン系」だと、オバマがメディアにとりあげられることが多いのでオバマに親しみを覚えるが、「英語がしゃべれない、あるいは親世代がしゃべれない」家だと、スペイン語放送しか視聴せず、そこでは圧倒的にヒラリーをとりあげているという事情もあるようだ。

 

そして民主党で興味深いことは、「もしオバマが本選に出られない場合、ヒラリーに投票しますか?」という問いにお互い(逆の場合でも)7割以上が投票すると答えている。つまり、3割が「こっちでなきゃ」と思ってるが、7割以上は「どっち(で)もいい」と思っている。ここら辺りも混戦の要因かもしれない。

 

共和党民主党の支持層の違いも面白い。
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共和党だと民主党では出て来ない「不法移民」への対策が大きな課題となっている。また、経済も民主党の方が重視され、共和党では「イラク戦争」と「テロ」が合計で「経済」に匹敵する。

 

景気についての見方も民主党支持者は悪いとみるのに対し、共和党支持者の4割がまだ「良い」と思っている。
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最後に大統領の資質をみてみよう、
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やはり共和党では「価値観」が問われている。「銃規制」「移民規制」「中絶」などの諸問題に対する政策も、つまりは価値観から派生してくるのだ。これに対して民主党は「とにかく変化して欲しい」という声が大きい。マケインは一匹狼で異端児ともいわれるが、「イラク戦争継続」などブッシュ政権の基本ラインを変えようというわけではない。

 

本選になれば、「保守」か「変革」かということで激しい政策論争が交わされることは必至であろう。

 

くわえてヒラリーファンが知っておかなくてならないのは、ヒラリーは中国との関係を、「今世紀における最も重要な2国間関係」としており、日本より中国を重視するのが明らかなことだ。もともと軍事的な同盟関係を重視する共和党と異なり、民主党政権になれば経済面からも中国重視になる。

 

前回のクリントン政権でも北朝鮮軽水炉建設供与を決めて日本にも請求書を回してきたし、オルブライト国務長官金正日マスゲームを鑑賞した。そしてビル・クリントン大統領は2週間の中国訪問時の往復いずれも日本に立ち寄らず、当時大きな話題となったものだ。

クリントンvsクリントン

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ケネディーを継ぐ者
民主党サウスカロライナの予備選が終わって、オバマがヒラリーに大差をつけて勝つた。ネヴァダで負けたオバマにとつて朗報である(実はネヴァダは接戦で獲得代議員はオバマの方が多い)。そして、ケネディ兄弟の末子、エドワード・ケネディJFKの娘キャロラインがオバマ支持を表明。オバマが「JFKの後継者」といえるようになつた。特にキャロラインは支持表明で、
 
"I have never had a president who inspired me the way people tell me that my father inspired them.But for the first time, I believe I have found the man who could be that president — not just for me,but for a new generation of Americans. "(NYTimesへの投書)

 

とまで書いた。ビル・クリントンは大統領選挙で高校時代に会ったJFKとの写真を有効に使って"後継者"をアピールした。もろちん、本人もJFKに憧れを持っていた。

 

悪いクリントン良いクリントン
このビル・クリントン前大統領が選挙戦の目玉ともなっている。当初それほど目立った動きをしていなかったビルがオバマの躍進とともに「悪いクリントン」を演じだした。オバマのイメージや過去の言動をあげつらうだけでなく「fairy tale」だといい、「give me a brake」とまで表現している。

 

感情的に発言しているようにみえるビルだが、「たぶん"良い警官と悪い警官"を演じ分けているのだろう」というのが大方の見方であった。選挙戦では必ずネガティブキャンペーンが用いられる。自分の政策や過去の言動は○×職にふさわしい、とアピールする一方「あいつは□▲だからダメ~」と落とす。イメージが先行する候補を失速させるには一定の効果はあるのだろう。

 

しかし、一旦これをはじめると中傷合戦になり「政策論議」よりも「人格論議」に陥る危険性がある。そこで、ビルがネガティブ面を受け持ち、ヒラリーは政策だけを訴えることで候補者は中傷合戦に加わらないという戦術だというのだ。

 

当初は反応しなかったオバマも討論会で、「あなたのご主人がこう言っている」とヒラリーに迫ると、ヒラリーは「彼はここにいない、いるのは私です」と切り返した。しかし、ビルの言動がどんどん注目されるようになり、民主党関係者は「大統領選挙の本選に行くまでに民主党支持層が壊滅する」と心配するようになる。
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ビルはサウスカロライナオバマが勝利したあと、「ジェシー・ジャクソンだってサウスカロライナでは勝った」と発言した。これは、1)ジャシー・ジャクソンは結局大統領候補になれなかった、2)オバマもジャクソンのように"黒人候補"に過ぎない、という二重の意味がとれる。こうした人種問題にまで触れるような発言にまで至ると、「ヒラリーがビルを抑えられないのなら、彼女が大統領になったら誰がビルを抑えるのよ?」という疑問さえ出てくるようになっている。

 

よく考えてみればヒラリーが大統領候補になった場合、「愛子さま天皇になったら、ダンナはど~なるの?」的な「配偶者適格論議」が出ないのは、ビルが大統領経験者であったからだ。しかし、ヒラリーが大統領になったら、「大統領のダンナである大統領経験者」という同格以上の存在がホワイトハウスをうろちょろするのか~、という論議は今後とも出てくるに違いない。

 

思えばビルは若い。じつはまだロムニーと同世代でジュリアーニよりも若いのだ。しかし大統領経験者としての思いは、「偉大な大統領」として歴史に残りたい、ということだろう。間違いなく「歴史に残る偉大な大統領」であるJFKの遺族によって(RFKの遺族はヒリャリー支持)「ケネディの衣鉢を継ぐ」とされたオバマに対しては、複雑な心境であるに違いない。

 

オバマが「共和党の方が理念がある」と、発言したと一時話題になったが、あれもよく聞いてみると「レーガンは国を変革したけど、ニクソンビル・クリントンは違う」というのが趣旨であろう。たぶんこれはビルにとっては個人的に強烈な一発であったと思う。

アメリカの政治状況

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アメリカ大統領選についての記事のついでに、アメリカの政治状況についても書いてみよう。レーガン政権の誕生によって南部の民主党支持者が共和党支持にシフトしたり、ビル・クリントンの大統領キャンペーンにみられるようにリベラルの中道化などもあり、簡単には書けないのだが、日本から大統領選挙を傍観するための助けにはなるかもしれない。

まず表をみてみよう(※1)、この表は個人の自由と経済の自由についての政治的立場をしめしている。

*リバタリアン-あらゆる規制を否定する、小さな政府で極端な者は国家の否定をもとなえる。
*権威主義-個人・経済ともに規制を認める。全体主義社会主義国家があたるがニポンの保守派も入る。
*リベラル-個人の自由は容認するが、社会保障や所得の再配分など大きい政府派。社会民主主義
*保守派-小さい政府で経済の自由を容認。道徳的には伝統主義であり個人の自由を規制する。

大きく言って民主党はリベラル、共和党は保守・リバタリアンが支持層だが、それだけでなく中道・穏健派もふくむ。こう書くとアメリカは両党に別れているような感じに思うが、それぞれの党の支持者は3割程度で、残る3割は無党派層になる。この残りの3割~4割がどちらかに傾くとレーガンクリントンのように大勝利が得られる、というわけだ。

リベラル
アメリカは「自由の国」と呼ばれるように、独立した個人による自由な市民社会がよいとする理念がある。しかし、1920年代のように恐慌が訪れると「自由な社会を実現するためには社会的不公正を是正」すべきではないかという考えがあらわれた。こうした「自由」を実現するために「自由を規制」しようという考え方がリベラルと呼ばれるようになる。

第二次大戦後から70年代までは冷戦が最高潮に達した時期でもある。今の時点からすると社会主義体制というのは「非効率・規制・停滞」というイメージだが、当時は「能率的・理想・進歩」というイメージもあったのだ。日本でも「北朝鮮の若者の目は澄んでいた」的な新聞記事がよくみられた。上でみるようにアメリカのリベラルは日本のように社会主義共産主義)運動の流れから直接来たものではないが、社会主義の「良い面」は取り入れていこうという側面はあっただろう。

経済政策の面でもニューディールの成功(なのか第二次大戦の結果なのか議論があるらしいが)により「国家の介入」の有効性がいわれる。今でも日本がとっているケインズ的経済政策もこれに含まれる。(このほどブッシュが発表した景気刺激策でも「個人に対する税金の払い戻し」「法人税の引き下げ」「住宅差し押さえ回避の財政支援」はあっても日本のような「公共事業の増加」などはない)

またリベラルは進歩主義でもある。「人類の歴史とともに世界は良くなる」という考え方をとるといってもよい。この極端な例がマルクス主義の段階発展説になる(資本主義→社会主義共産主義)。また、こうした流れは1960年代には公民権運動・フリースピーチ・ベトナム反戦、などで社会運動ともなった

保守派
一方、保守派は伝統主義・リバタリニズム・反共主義などがそれぞればらばらに存在していた。保守は例えば伝統主義者が「昔ながらの価値観を守ろう」とするなら、リバタリアンは「個人の自由」を求める。となると「中絶」「同性結婚」などで対立してまとまらない。

しかし、これらが「反リベラル」という旗頭のもとに「融合」されてくる。1964年のゴールドウォーター上院議員の大統領選挙はこうした保守主義の運動のはじまりでもあった。ゴールドウォーターの敗北ののち、ここから保守派は再度陣営の立て直しを行い、1980年保守派を結集したレーガンの勝利をもたらす。レーガン政権の強硬策がソビエトの崩壊を促したこともあり、レーガンはいまでもアメリカ保守の英雄である。

したがってレーガン共和党にとって「保守本流」ともいうべき存在で、大統領選の討論会でも「レーガンの遺産を継ぐのは誰だ」というコンテクストで頻繁に登場してくる。一方、現ブッシュ政権が「成功していない」というのは暗黙の了解となっており、「ブッシュを継承する」とは誰も言えない。それだけに「レーガンの遺産」がより重要になってくる。

しかし、現在、共和党の4人の大統領候補は「レーガンの後継者」というにはそれぞれ弱点を抱えている。NBCの「MEET THE PRESS」などによれば各候補者はそれぞれ、

*Maccain-率直な発言で議員としても一匹狼。共和党主流派にとっては「共和党の本流」とはいえない。
*Huckabee-宗教的ではない保守層の票がとれない。右派にとっては「牧師の服を着たリベラル」
*Romney-中絶や同性愛についての意見を変えたり、「二股をかけている」感あり。
*Giuliani-私生活(3度の結婚など)や同性愛・銃規制・中絶に賛成の立場などキリスト教保守派が否定。

と少なくとも保守派の一部からは否定される面を備えているという。しかし、同時にヒラリーが民主党候補に選ばれれば共和党は確実にひとつにまとまるという観測が大勢を占める。ヒラリーは保守派にとって、「女性」というだけでなく、「リベラル」色が強いらしく、保守派にとってはABC(Anybody but Clinton-クリントン以外なら…)神話がまだ有効なようだ。

※1.この表は「リバタリアニズム読本」 森村進編 勁草書房、からパクった。

アメリケ大統領選候補者紹介(民主党)

民主党候補は3人になっちまいますた。
(ニュハンプシャーの得票順)

Democrat candidate
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Hillary Rodham Clinton(ヒラリー・クリントン
上院議員
イリノイ生、United Methodist、60歳
イェール大ロースクール卒、保守的な両親のもとに育ち共和党支持者だったが、学生
時代に民主党に転向する。ロースクールで出会ったビル・クリントンと結婚しアーカンソ
ーに移住。弁護士として活躍し、「最も影響のある100人の弁護士」にも選ばれた。夫
ビルがアーカンソー州知事になり知事夫人となるが、仕事は継続。ウォールマートを
はじめとする企業の役員会にも名を占める。
1993年、ビルが大統領に選ばれるとファーストレディとしてだけではなく、閣議にも出席するなどして活動、
ヘルスケアプランなどの政策立案にも寄与した。ビルの大統領退任後はニューヨークに移り、2000年に
上院議員に当選。2期目をつとめている。


Democrat candidate
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Barack Obamaバラク・オバマ
上院議員
ハワイ生、United Church of Christ、46歳
ハーバード大ロースクール卒、ケニアからハワイ大学に留学していた父と同じく
ハワイ大の学生だった母の間に生まれる。両親は離婚し母はインドネシアから
の留学生と再婚。このため6~10歳まではジャカルタで育つ。その後、母の両親
とともにハワイに住む。大学講師や弁護士などののち、1997年から2004年まで
イリノイ州議会上院議員。2004年民主党全国大会の講演者に抜擢され注目を浴びる。
2004年には連邦議会上院議員に選出。現役では唯一の黒人系上院議員


Democrat candidate
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John Edwards(ジョン・エドワーズ
上院議員
サウスカロライナ生、United Methodist、54歳
ノースカロライナ大チャペルヒル校卒、弁護士として多くの病院や企業相手の訴訟
の原告代理人として活躍。多額の賠償を勝ち取る社会派弁護士として名を馳せる。
(25百万㌦というノースカロライナ裁判史上最高額の個人傷害賠償額も記録している)
1998年上院議員に当選、2004年大統領選挙に民主党候補として立候補するもSuper
Tuesdayでジョン・ケリーに敗北。ケリーの副大統領候補として選ばれるもブッシュ・
チェイニーの共和党候補に敗れる。



その他
紹介した共和・民主の候補者の他にブルームバーグNY市長が無党派での出馬を探っているといわれる。ブル
ームバーグは経済金融ニュースの総合情報サービス業を創業した億万長者で、NY市長選費用6600万㌦もポ
ケットマネーから出したという。ブルームバーグはもともと民主党支持者であったのが、ジュリアーニの後継者と
して共和党から出馬している。

昨日も書いたように大統領選には莫大な費用がかかるが、資産数百億㌦といわれるブルームバーグは10億㌦
程度の選挙費用を捻出するのは問題ない。無党派として出馬しても党候補とくらべて遜色のない戦いが可能
であるため動向が注目されている。

大統領候補(の候補だが)の経歴をみてみると、あらためてそれぞれ素晴らしい。民主党は3名とも弁護士、共
和党は6名のうち2名が法曹関係者、残りは海軍の英雄、医師、経営者、牧師である。しかも、クリントンエド
ーズ、ジュリアーニは弁護士・検事としても超一流である。逆に、こういう人材が公職で奉仕し最終的に大統領
に挑戦するのがアメリカの民主主義だということなのだろう。

アメリケ大統領選候補者紹介(共和党)

それでは2回にわけて共和党民主党の大統領候補の略歴を紹介せます。
ニューハンプシャーの得票順)


Republican candidate
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John McCain(ジョン・マッケイン)
上院議員
パナマ生、バプテスト、71歳
海軍兵学校卒、祖父・父ともに高名な海軍提督で、生まれたのもパナマの海軍基地。
ベトナム戦争パイロットとして参戦、搭乗機が狙撃されて捕虜となる。6年間の抑留
中に拷問を受けたり懐柔されても姿勢を変えなかったことが高い評価を受ける。
海軍引退後アリゾナに移り下院議員2期、上院に移り4期目をつとめている。
キッシンジャー国務長官など共和党の大物が後援する。


Republican candidate
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Willard Mitt Romney(ミット・ロムニー
マサチューセッツ州知事
ミシガン生、末日聖徒イエス・キリスト教会モルモン教)、60歳
ハーバード大ロースクールビジネススクール卒、父は元ミシガン州知事で大統領候補、
一時は今はなきアメリカンモーターコーポレーション(AMC)という自動車会社のCEOでも
あった。Willardは父の親友でマリオットホテルグループのJ. Willard Marriottから付けられ
た。曽祖父はモルモン教最初期の幹部。

ボストンコンサルティンググループをへて同じくコンサルティング会社ベインアンドカンパニーの会長兼CEO。
ソルトレイクシティーオリンピック組織委員会会長としてオリンピックを成功に導く。2002年マサチューセッツ
州知事選に当選、2007年までつとめる。ロムニー就任当時赤字だった州財政を、予算削減で増税なしで
立て直した手腕が大統領選候補になる原動力となった。


Republican candidate
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Mike Huckabee(マイク・ハッカビー
アーカンソー州知事
アーカンソー生、南部バプテスト、52歳
オワチタバプテスト大卒、牧師をへてアーカンソー州副知事、知事を2期つとめる。宗教右
派に属するため「中絶」「同性結婚」「銃規制」「死刑廃止」に反対であり、「個人的には進化
論はとらない」と発言「学生は創造説も学ぶべき」ともいう。こうした姿勢がアイオワでの勝利
につながったといわれる。


Republican candidate
Republican candidate
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Rudy Giuliani(ルディ・ジュリアーニ
ニューヨーク市
ニューヨーク生、イタリア系/カトリック、63歳
ニューヨーク大ロースクール卒。検事としてマイケル・ミルケンやマフィアとの戦いを通じ
人気を得て市長に当選。ニューヨークの犯罪発生率を減らしきれいにした実績の上に9.11
の際の的確な危機管理で大統領候補として躍進した。


Republican candidate
Republican candidate
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Ronald Ernest "Ron" Paul(ロン・ポール
下院議員
ペンシルバニア生、バプテスト、72歳
デューク大医学部卒、医学部在学中に空軍に徴兵され医者として軍役をつとめる。
退役後はテキサスで開業、共和党員として活動。落当選を繰り返し下院議員を通算
10期つとめている。

ロン・ポールリバタリアンであり、1988年の大統領選挙にはリバタリアン党から出馬した。
ゆえにイラク戦争は即時撤退など他の共和党候補者と一線を劃す政策を掲げる。こうした
ことが影響してかABCの候補者討論会には呼ばれたがFOXTVの討論会には呼ばれなかった。


Republican candidate
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Frederick Dalton Thompson(フレッド・トンプソン
上院議員
アラバマ生、Churches of Christ、65歳
バンダービルト大ロースクール卒、検事補からハワード・ベーカー上院議員の事務所に
移りウォーターゲート事件調査に関わり名をあげる。弁護士として活動すると同時に
ロビイストとしても活躍。また、俳優としても有名で「ダイ・ハード2」「ボーン・イエスタデイ」
などに出演、NBCTVシリーズ「Law&Order」でも地方検事役として出た。

1994年アル・ゴアの副大統領転出による補欠選挙テネシー州上院議員に選出、2003年までつとめる。
2000年の大統領予備選ではマケイン選対の全国委員長のひとりでもあった。


今後の見通し
両党の大統領候補とも2/5のSuper Tuesday(20州で予備選挙が実施され40%の選挙人が一日で決まる)
に向けて追い込みをかける。2/5には両党とも2名あるいは数名の候補に絞られる(民主党はリチャードソンが
抜け、今日の時点で既に3名となっている)。

共和党はまったくの混戦、ロムニーは次回1/15の党員集会の場で、生まれ故郷ミシガン(父が元知事で元
自動車会社社長)までにダントツのトップを走るという作戦で、TVCMも莫大な量を投下してきた。が、今まで
のところ思惑通りにいっていない。ミシガンで勝利しなければこのまま沈む可能性すら出てきた。

マケインも一時は消えかけたが、ニュハンプシャーの勢いがミシガンで続けば「無党派層を取り込める」とし
てますます本命視されていくだろう。ハッカビーは1/19のサウスカロライナアイオワの再現を狙う。ブッシュ
当選の原動力となった宗教右派の票を取り込んでサウスカロライナで優位に立たなければ2/5まで資金が
もたないともいわれている。

トンプソンもやはり南部サウスカロライナに賭けている。サウスカロライナの結果いかんでは、やはりSuper
Tuesday まで駒を進めることは難しい。ジュリアーニはニューヨークやカリフォルニアでの人気を当て込み
Super Tuesdayでの爆発を目論んで今までのところ手を抜いているが、これから2/5まで4ヶ所の予備選
でも下位だと戦略が身を結ばないかもしれない。

リバタリアンは一定の支持者がおりロン・ポール自身も「ハイエク・ロスバード・ミーゼスの学説を実現する
ために政治家になった」という位で、「主義の伝道」に近い。リバタリアンとは「経済や社会に対する国家や
政府の介入を最小限にする」ことを求めるひとのことをいう。ロン・ポールの主張も「国連やNATOからの脱退」
連邦準備制度の廃止」(政府による貨幣供給の抑制)、「所得税の廃止」など普通の共和党員とはまったく
違う。しかし、「小さい政府」「自立自助」という根本では重なっているともいえる。

大統領選挙は資金がかかる。前回のブッシュ・ケリー両候補とも予備選段階で1億㌦を使ったといわれるが、
今回は「史上最も金がかかる」だろうと言われている。民主党クリントンオバマは集金力に秀でており
オバマは今年に入ってからすでに8百万㌦集めたとも言われる。共和党は混戦のため予備選挙ごとに優位
に立たないと資金難に陥る可能性があり、各候補それぞれ気が抜けないところである。