オバマ大統領三題話
| オバマ大統領が天皇陛下にお辞儀 |

オバマ大統領が訪日中に天皇皇后両陛下と昼食をともにした。場所は宮殿ではなく御所だった。宮殿・御所いずれも皇居内の施設だが、宮殿は公式の場・御所は両陛下のお住まいである。
| オバマ大統領の晩餐会に侵入 |

ホワイトハウスで開かれたインドのシン首相の歓迎晩餐会に、招待されていないカップルが入り込んでオバマ大統領と握手までしたという。こうした招待客の中にはふだんホワイトハウスに出入りしない、例えばインドとの特別関係者などの一般人が招待される場合がある。くわえて、犯人?はブラックタイとドレス着用で来ていたので、警備関係者もまさか招待されていないとは思わなかったのだろうが、明らかにミスである。私の経験でも大統領出席の場に同席するだけで、半年前からパスポートのコピーを提出させられたほどの厳重さであった。あるいは、会場が一般人も出入り可能なホテルなどではなく、ホワイトハウスということで気の緩みもあったのだろうか。
| オバマ大統領支持率50%割れ |

オバマ大統領の支持率が50%を割った。これはフォード、クリントンに続く支持率50%割れの最速記録だという。すごい下がった気がするのだが、じつは日本でのオバマ大統領の就任当時の支持率は軒並み80~90%だったのだが、もともとアメリカでは68~80%、だいたい70%強というところだった。
大統領選結果雑感
オバマ当選
オバマが大統領選挙に当選した。364対162とダブルスコアの大勝のようにも見えるが、得票率でいうと53%対46%で過半数を制したに過ぎない。※1.※2.しかし、ブッシュ対ゴア、古くはケネディ対ニクソンのときのように得票と選挙人獲得数が逆転しているいうことでもない。
今回の大統領選挙ではブッシュ政権の負の遺産が大きな影響を持った。1964年以来大統領選で共和党が制してきたインディアナ州もオバマに軍配を挙げた。共和党はインディアナで4年前のブッシュの得票率から20%失ったことになる。
日本のマスメディアは投票日直前になって「ブラッドリー効果」を口々に言い募ったが、これはクリントン陣営との戦いで通ってきた道といえよう。実際、オバマは郊外に住む大卒ホワイトカラーの支持を得ており、多数が白人であるこの層の支持は、4年前の民主党候補ケリーより10%多い。
オバマの当選を「黒人大統領の誕生」と、人種面での変革が大々的に語られている。もろちん、それは間違いではない。黒人が法的にも差別されていたのは遠い昔の話ではなく、いわば同時代といってもよい。実質的にすべての人種に同等の投票権が与えられたのは1965年の投票権法以降であり4~50年前は法律で黒人差別が容認されていたのだ。
しかし、オバマはアメリカ人としては非常に特異なひとであるといってよい。
*パパは外人(ケニア人)、
*ママは白人、の国際&異人種結婚の子供であり、
*生まれと育ちはハワイのお祖母ちゃんのもとで、
*ママの再婚によってインドネシアで小学校へ通う、
という育ち方をしている。
ハワイというのは元からの住民であるポリネシア系、移民のアジア系、白人、黒人が住むが人種間の軋轢は本土に比べればおおいに緩やか、といって差し支えないだろう。ハワイで白人の祖父母のもとで育ったオバマの精神世界はいわゆるアメリカ黒人のものとは違うのである。
オバマのもうひとつ特徴的なことは、ハーヴァード大ロースクール出身で黒人初のHarvard Law Reviewの編集長を務めたということだ。こりは日本に似たようなケースがないのでピンと来ないのかもしれないが、要するにエリート中のエリートという意味合いがある。
つまり、黒人から見たら「黒人」のオバマは、白人高学歴層から見ても「同類だわね」という安心感があるのだろう。たぶんオバマはハイティーンになって本土で教育を受けるときまで「奴隷の子孫」であるアフリカ系アメリカ人の持つ世界像を認識していなかったのではないか。※4.
オバマの実力は
よく考えてみればオバマは4年前の大統領選のときは上院議員1年生であった。43歳の若さで大統領になったケネディですら下院3期(6年)上院2期(8年)の国政経験がある。こうして考えてみると、オバマという選択がいかにアメリカ人が変革を求めていたかの現れとみてとれよう。
大統領当選人となつたオバマだが、選んでおきながら「どんなひとだろ~?」という目で見ている節もあるアメリカにも見える。しかし、選挙戦中オバマが他の候補から抜きんでていたことがある。それは、組織の充実であつた。
ヒラリー陣営は当初の戦略の失敗からオバマのリードを許し、幾度となく資金が枯渇した(ヒラリーが私財を提供したほど)。途中で選対責任者を解任・変更するほど組織は乱れていたことは知られている。
マケインもペイリンを副大統領候補にして以降、ペイリンと選対幹部との軋轢が噂された。どの世界でも内部の軋轢はあるに決まってるのだが、それがどんどん出てくるのは組織が機能していない証拠である。
これに対し、オバマの選対はネットを有効に活用して小額資金を集めて最後まで豊富な資金力で優位を保った。ばかりでなく、選挙戦期間中どの場面でも陣営はゆるがなかった。こりがオバマの力なのか内部に統率力のあるひとがいるのか詳らかにしないが、大統領という組織のトップに立つひとして最初の関門はクリアしてきた、と言えよう。
共和党と保守の行方
一方、共和党にとっては「史上最も不人気」といわれるようにまでなってしまった子ブッシュ政権の負債を背負った最初から厳しい戦いであった。もともと国論を二分していたイラク戦争を続けるマケインの言い分も「犠牲を払った戦争を負けたまま終わらせるわけにはいかない」というものである。フセイン政権を倒したうえに何をもって勝利と呼ぶのか(つまり、敵対勢力が掃討されるまでというのだろうが)よくわからない論理だった。
レーガン以降進んで来たアメリケの保守化だが、2000年のブッシュは得票で逆転されており(2004年は9.11の後遺症で戦時下という感じだった)、保守の退潮がみられる。しかし、世界中で「オバマ、オバマ」と言ってる割には得票ベースでいうと45%以上が共和党に票を投じていることも忘れてはならないのではないか。つまり、「経験のないオバマは不安」「黒人ですか~?」という票を差し引いても保守派のボリュームはかなりあるということだ。こうした保守派の中でもコアになる支持層が白人労働者層と宗教
保守派である。
マケインはブッシュ政権の政策を概ね認めていたが、保守本流というわけではない。共和党保守派から見れば「ちょっと左寄りでないの」といわれる独行独歩の道を歩んできた。外交政策ではタカ派で、小さな政府だが、同性婚や中絶、移民など宗教右派が譲らない場面では寛容な面もみせている。また地球温暖化対策にも熱意を示している。※4.
こうしたマケインがコアの支持層をつかむために選んだのが、アラスカ州知事のペイリンだった。全米がびっくりしたペイリンの選択は、若く(マケインは年齢がネック)、女子(ヒラリー支持層にアピール)、保守派(上述)、ワシントン政治に無縁、州知事経験者というまさにマケインの不足を補うのにぴったりだつた。※5.
今ではマケイン敗北の原因のように言われているペイリだが、地元ワシラでは税制を変えて街起こしに成功しており、州知事になってからも腐敗の追及や経済活性化で一定の成果をあげている。前述したように退潮気味の保守派ではあるが、コアの支持層に人気の高いペイリンはまだ44歳である。今後の活動いかんによっては、また国政レベルでの活躍が期待される。※6.
日本はど~なるの
日本との関係においては共和党が伝統的に「同盟関係の重視」で日本とは仲良くするという傾向があり、(ロン=ヤス、ジョージ=ジュンイチロ~いずれも共和党政権)「経済立て直し」を目論む民主党政権下では中国寄りになるのでは、という論調が多い(クリントン政権時の「中国訪問時に日本に立ち寄らず」とか、オルブライト国務長官の「北朝鮮訪問」など)。
しかし、明らかに「アメリカ一極化」から「ど~なんのよ」時代に入ろうとする今、アメリカがど~すんのかよりも日本がど~すんのよ、が求められて来ている。もちろん、「いや~、もう疲れたし借金もあるから中国さんにお任せするべや」というのもアリだと思う。一番よくないのは「日本は世界第二の経済大国であるからして」という勢いだけで今までのような感じでいけると思うことであろう。
とりあえずシーファー駐日大使はブッシュのぉ友達なので確実に代わると思う。日本の駐米大使というのは外務事務次官退任後の指定席になっちゃってるのだが、駐日米大使というのはアメリカ全体の大使からみても特別に大物が着任している。マンスフィールド以降の大使で言うと、
マンスフィールド:上院院内総務、上院議員、下院議員
アマコスト:国務次官、駐比大使
モンデール:副大統領、上院議員
フォーリー:下院議長、下院議員
ベーカー:大統領首席補佐官、院内総務、上院議員
シーファー:駐豪大使、テキサスレンジャーズオーナー、州議会議員
というように外交官出身はアマコストひとりだけ。現シーファー大使はブッシュ大統領がテキサスで商売していた頃からのぉ友達。他はアメリカで知らないひとはいない大物議会人揃いで、元下院議長、副大統領、大統領首席補佐官という豪華さである。
自民党政権だとできないかもしれないが、民主党政権になったら外交官でない「大物大使」を考えてもいいのではないか。※7.
※1.得票はオバマ64,643,455 マケイン56,903,815
※2.日本では喧伝されないが、独立派の候補2人も出てる。合わせて110万票以上獲得。
※3.ミシェル夫人は所謂フツ~の黒人家庭の子だが、苦学してハーヴァードロースクール卒の弁護士。日本だったら例えは悪いが、夫婦揃って東大卒の高級官僚出身の中山成彬、恭子って感じ?違うか…
※4.日本だと地球温暖化対策は当然という感じだがアメリカ特に保守派では「地球温暖化?何言ってんの」という雰囲気。特に経済活動の規制に関しては「それはヨーロッパかぶれでないの!キ~ッ!」という意見多し。
※5.マケインは当初リーバーマンを副大統領候補に望んだが、側近に「それじゃ保守票が逃げる」と言われたらしい。
※6.汚職疑惑があるスティーブンス上院議員の選挙結果と失職によっては、立候補の可能性がいわれる。
※7.過去にも宮澤喜一、椎名素夫、盛田昭夫が取り沙汰された。いまなら小林陽太郎とか中曽根大勲位とか。
超級火曜日

| 民主党 |
ヒラリー 7,347,971
オバマ 7,294,851
とほとんど互角である。代議員獲得数はメディアによってばらつきがあるが(NYTimes、LATimes、MSNBCどれも違う)ほとんど一緒かややクリントン優勢で推移している。
| 共和党 |

共和党だと民主党では出て来ない「不法移民」への対策が大きな課題となっている。また、経済も民主党の方が重視され、共和党では「イラク戦争」と「テロ」が合計で「経済」に匹敵する。

最後に大統領の資質をみてみよう、

やはり共和党では「価値観」が問われている。「銃規制」「移民規制」「中絶」などの諸問題に対する政策も、つまりは価値観から派生してくるのだ。これに対して民主党は「とにかく変化して欲しい」という声が大きい。マケインは一匹狼で異端児ともいわれるが、「イラク戦争継続」などブッシュ政権の基本ラインを変えようというわけではない。
クリントンvsクリントン

| ケネディーを継ぐ者 |
| 悪いクリントン良いクリントン |
| ☂ |

ビルはサウスカロライナでオバマが勝利したあと、「ジェシー・ジャクソンだってサウスカロライナでは勝った」と発言した。これは、1)ジャシー・ジャクソンは結局大統領候補になれなかった、2)オバマもジャクソンのように"黒人候補"に過ぎない、という二重の意味がとれる。こうした人種問題にまで触れるような発言にまで至ると、「ヒラリーがビルを抑えられないのなら、彼女が大統領になったら誰がビルを抑えるのよ?」という疑問さえ出てくるようになっている。
アメリカの政治状況

☂
アメリカ大統領選についての記事のついでに、アメリカの政治状況についても書いてみよう。レーガン政権の誕生によって南部の民主党支持者が共和党支持にシフトしたり、ビル・クリントンの大統領キャンペーンにみられるようにリベラルの中道化などもあり、簡単には書けないのだが、日本から大統領選挙を傍観するための助けにはなるかもしれない。
まず表をみてみよう(※1)、この表は個人の自由と経済の自由についての政治的立場をしめしている。
*リバタリアン-あらゆる規制を否定する、小さな政府で極端な者は国家の否定をもとなえる。
*権威主義-個人・経済ともに規制を認める。全体主義、社会主義国家があたるがニポンの保守派も入る。
*リベラル-個人の自由は容認するが、社会保障や所得の再配分など大きい政府派。社会民主主義。
*保守派-小さい政府で経済の自由を容認。道徳的には伝統主義であり個人の自由を規制する。
大きく言って民主党はリベラル、共和党は保守・リバタリアンが支持層だが、それだけでなく中道・穏健派もふくむ。こう書くとアメリカは両党に別れているような感じに思うが、それぞれの党の支持者は3割程度で、残る3割は無党派層になる。この残りの3割~4割がどちらかに傾くとレーガンやクリントンのように大勝利が得られる、というわけだ。
リベラル
アメリカは「自由の国」と呼ばれるように、独立した個人による自由な市民社会がよいとする理念がある。しかし、1920年代のように恐慌が訪れると「自由な社会を実現するためには社会的不公正を是正」すべきではないかという考えがあらわれた。こうした「自由」を実現するために「自由を規制」しようという考え方がリベラルと呼ばれるようになる。
第二次大戦後から70年代までは冷戦が最高潮に達した時期でもある。今の時点からすると社会主義体制というのは「非効率・規制・停滞」というイメージだが、当時は「能率的・理想・進歩」というイメージもあったのだ。日本でも「北朝鮮の若者の目は澄んでいた」的な新聞記事がよくみられた。上でみるようにアメリカのリベラルは日本のように社会主義(共産主義)運動の流れから直接来たものではないが、社会主義の「良い面」は取り入れていこうという側面はあっただろう。
経済政策の面でもニューディールの成功(なのか第二次大戦の結果なのか議論があるらしいが)により「国家の介入」の有効性がいわれる。今でも日本がとっているケインズ的経済政策もこれに含まれる。(このほどブッシュが発表した景気刺激策でも「個人に対する税金の払い戻し」「法人税の引き下げ」「住宅差し押さえ回避の財政支援」はあっても日本のような「公共事業の増加」などはない)
またリベラルは進歩主義でもある。「人類の歴史とともに世界は良くなる」という考え方をとるといってもよい。この極端な例がマルクス主義の段階発展説になる(資本主義→社会主義→共産主義)。また、こうした流れは1960年代には公民権運動・フリースピーチ・ベトナム反戦、などで社会運動ともなった
保守派
一方、保守派は伝統主義・リバタリニズム・反共主義などがそれぞればらばらに存在していた。保守は例えば伝統主義者が「昔ながらの価値観を守ろう」とするなら、リバタリアンは「個人の自由」を求める。となると「中絶」「同性結婚」などで対立してまとまらない。
しかし、これらが「反リベラル」という旗頭のもとに「融合」されてくる。1964年のゴールドウォーター上院議員の大統領選挙はこうした保守主義の運動のはじまりでもあった。ゴールドウォーターの敗北ののち、ここから保守派は再度陣営の立て直しを行い、1980年保守派を結集したレーガンの勝利をもたらす。レーガン政権の強硬策がソビエトの崩壊を促したこともあり、レーガンはいまでもアメリカ保守の英雄である。
したがってレーガンは共和党にとって「保守本流」ともいうべき存在で、大統領選の討論会でも「レーガンの遺産を継ぐのは誰だ」というコンテクストで頻繁に登場してくる。一方、現ブッシュ政権が「成功していない」というのは暗黙の了解となっており、「ブッシュを継承する」とは誰も言えない。それだけに「レーガンの遺産」がより重要になってくる。
しかし、現在、共和党の4人の大統領候補は「レーガンの後継者」というにはそれぞれ弱点を抱えている。NBCの「MEET THE PRESS」などによれば各候補者はそれぞれ、
*Maccain-率直な発言で議員としても一匹狼。共和党主流派にとっては「共和党の本流」とはいえない。
*Huckabee-宗教的ではない保守層の票がとれない。右派にとっては「牧師の服を着たリベラル」
*Romney-中絶や同性愛についての意見を変えたり、「二股をかけている」感あり。
*Giuliani-私生活(3度の結婚など)や同性愛・銃規制・中絶に賛成の立場などキリスト教保守派が否定。
と少なくとも保守派の一部からは否定される面を備えているという。しかし、同時にヒラリーが民主党候補に選ばれれば共和党は確実にひとつにまとまるという観測が大勢を占める。ヒラリーは保守派にとって、「女性」というだけでなく、「リベラル」色が強いらしく、保守派にとってはABC(Anybody but Clinton-クリントン以外なら…)神話がまだ有効なようだ。
※1.この表は「リバタリアニズム読本」 森村進編 勁草書房、からパクった。
アメリケ大統領選候補者紹介(民主党)
| Democrat candidate |

Hillary Rodham Clinton(ヒラリー・クリントン)
上院議員
イリノイ生、United Methodist、60歳
イェール大ロースクール卒、保守的な両親のもとに育ち共和党支持者だったが、学生
時代に民主党に転向する。ロースクールで出会ったビル・クリントンと結婚しアーカンソ
ーに移住。弁護士として活躍し、「最も影響のある100人の弁護士」にも選ばれた。夫
ビルがアーカンソー州知事になり知事夫人となるが、仕事は継続。ウォールマートを
はじめとする企業の役員会にも名を占める。
1993年、ビルが大統領に選ばれるとファーストレディとしてだけではなく、閣議にも出席するなどして活動、
ヘルスケアプランなどの政策立案にも寄与した。ビルの大統領退任後はニューヨークに移り、2000年に
上院議員に当選。2期目をつとめている。
| Democrat candidate |

Barack Obama(バラク・オバマ)
上院議員
ハワイ生、United Church of Christ、46歳
ハーバード大ロースクール卒、ケニアからハワイ大学に留学していた父と同じく
ハワイ大の学生だった母の間に生まれる。両親は離婚し母はインドネシアから
の留学生と再婚。このため6~10歳まではジャカルタで育つ。その後、母の両親
とともにハワイに住む。大学講師や弁護士などののち、1997年から2004年まで
イリノイ州議会上院議員。2004年民主党全国大会の講演者に抜擢され注目を浴びる。
2004年には連邦議会上院議員に選出。現役では唯一の黒人系上院議員。
| Democrat candidate |

John Edwards(ジョン・エドワーズ)
前上院議員
サウスカロライナ生、United Methodist、54歳
ノースカロライナ大チャペルヒル校卒、弁護士として多くの病院や企業相手の訴訟
の原告代理人として活躍。多額の賠償を勝ち取る社会派弁護士として名を馳せる。
(25百万㌦というノースカロライナ裁判史上最高額の個人傷害賠償額も記録している)
1998年上院議員に当選、2004年大統領選挙に民主党候補として立候補するもSuper
Tuesdayでジョン・ケリーに敗北。ケリーの副大統領候補として選ばれるもブッシュ・
チェイニーの共和党候補に敗れる。
紹介した共和・民主の候補者の他にブルームバーグNY市長が無党派での出馬を探っているといわれる。ブル
ームバーグは経済金融ニュースの総合情報サービス業を創業した億万長者で、NY市長選費用6600万㌦もポ
ケットマネーから出したという。ブルームバーグはもともと民主党支持者であったのが、ジュリアーニの後継者と
して共和党から出馬している。
程度の選挙費用を捻出するのは問題ない。無党派として出馬しても党候補とくらべて遜色のない戦いが可能
であるため動向が注目されている。
アメリケ大統領選候補者紹介(共和党)
| Republican candidate |

John McCain(ジョン・マッケイン)
上院議員
パナマ生、バプテスト、71歳
海軍兵学校卒、祖父・父ともに高名な海軍提督で、生まれたのもパナマの海軍基地。
ベトナム戦争にパイロットとして参戦、搭乗機が狙撃されて捕虜となる。6年間の抑留
中に拷問を受けたり懐柔されても姿勢を変えなかったことが高い評価を受ける。
海軍引退後アリゾナに移り下院議員2期、上院に移り4期目をつとめている。
キッシンジャー元国務長官など共和党の大物が後援する。
| Republican candidate |

Willard Mitt Romney(ミット・ロムニー)
前マサチューセッツ州知事
ミシガン生、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)、60歳
ハーバード大ロースクール・ビジネススクール卒、父は元ミシガン州知事で大統領候補、
一時は今はなきアメリカンモーターコーポレーション(AMC)という自動車会社のCEOでも
あった。Willardは父の親友でマリオットホテルグループのJ. Willard Marriottから付けられ
た。曽祖父はモルモン教最初期の幹部。
ソルトレイクシティーオリンピック組織委員会会長としてオリンピックを成功に導く。2002年マサチューセッツ
州知事選に当選、2007年までつとめる。ロムニー就任当時赤字だった州財政を、予算削減で増税なしで
立て直した手腕が大統領選候補になる原動力となった。
| Republican candidate |

Mike Huckabee(マイク・ハッカビー)
前アーカンソー州知事
アーカンソー生、南部バプテスト、52歳
オワチタバプテスト大卒、牧師をへてアーカンソー州副知事、知事を2期つとめる。宗教右
派に属するため「中絶」「同性結婚」「銃規制」「死刑廃止」に反対であり、「個人的には進化
論はとらない」と発言「学生は創造説も学ぶべき」ともいう。こうした姿勢がアイオワでの勝利
につながったといわれる。
| Republican candidate |
| Republican candidate |

Rudy Giuliani(ルディ・ジュリアーニ)
前ニューヨーク市長
ニューヨーク生、イタリア系/カトリック、63歳
ニューヨーク大ロースクール卒。検事としてマイケル・ミルケンやマフィアとの戦いを通じ
人気を得て市長に当選。ニューヨークの犯罪発生率を減らしきれいにした実績の上に9.11
の際の的確な危機管理で大統領候補として躍進した。
| Republican candidate |
| Republican candidate |

Ronald Ernest "Ron" Paul(ロン・ポール)
下院議員
ペンシルバニア生、バプテスト、72歳
デューク大医学部卒、医学部在学中に空軍に徴兵され医者として軍役をつとめる。
退役後はテキサスで開業、共和党員として活動。落当選を繰り返し下院議員を通算
10期つとめている。
ゆえにイラク戦争は即時撤退など他の共和党候補者と一線を劃す政策を掲げる。こうした
ことが影響してかABCの候補者討論会には呼ばれたがFOXTVの討論会には呼ばれなかった。
| Republican candidate |

Frederick Dalton Thompson(フレッド・トンプソン)
元上院議員
アラバマ生、Churches of Christ、65歳
バンダービルト大ロースクール卒、検事補からハワード・ベーカー上院議員の事務所に
移りウォーターゲート事件調査に関わり名をあげる。弁護士として活動すると同時に
ロビイストとしても活躍。また、俳優としても有名で「ダイ・ハード2」「ボーン・イエスタデイ」
などに出演、NBCのTVシリーズ「Law&Order」でも地方検事役として出た。
両党の大統領候補とも2/5のSuper Tuesday(20州で予備選挙が実施され40%の選挙人が一日で決まる)
に向けて追い込みをかける。2/5には両党とも2名あるいは数名の候補に絞られる(民主党はリチャードソンが
抜け、今日の時点で既に3名となっている)。
自動車会社社長)までにダントツのトップを走るという作戦で、TVCMも莫大な量を投下してきた。が、今まで
のところ思惑通りにいっていない。ミシガンで勝利しなければこのまま沈む可能性すら出てきた。
てますます本命視されていくだろう。ハッカビーは1/19のサウスカロライナでアイオワの再現を狙う。ブッシュ
当選の原動力となった宗教右派の票を取り込んでサウスカロライナで優位に立たなければ2/5まで資金が
もたないともいわれている。
Tuesday まで駒を進めることは難しい。ジュリアーニはニューヨークやカリフォルニアでの人気を当て込み
Super Tuesdayでの爆発を目論んで今までのところ手を抜いているが、これから2/5まで4ヶ所の予備選
でも下位だと戦略が身を結ばないかもしれない。
ために政治家になった」という位で、「主義の伝道」に近い。リバタリアンとは「経済や社会に対する国家や
政府の介入を最小限にする」ことを求めるひとのことをいう。ロン・ポールの主張も「国連やNATOからの脱退」
「連邦準備制度の廃止」(政府による貨幣供給の抑制)、「所得税の廃止」など普通の共和党員とはまったく
違う。しかし、「小さい政府」「自立自助」という根本では重なっているともいえる。